気仙沼線BRT-3
気仙沼線BRTで乗車券の発売を行っている駅は4箇所あります。そのうち2箇所は鉄道駅でもあるので、純粋なBRTの中間駅としては2箇所になります。
志津川駅はそのうちの一つです。南三陸町に位置し、1の記事でも挙げたように駅舎もろとも津波で流され、築堤上にホームと階段の跡が残るのみになっています。私自身は学生時代に同じ県内である仙台市に住んでいたので、この駅も利用したことがあり、被災前の風景も何となく覚えていたりします。
志津川駅ホームから海の方を見た風景です。周囲も同様に壊滅的な被害を受けているため、人が住めるような建物は残っていません。仮設の店舗が少しある以外は、重機の音が響くのみで、人の生活感はありません。BRT駅は昨年7月の仮運行時には鉄道駅と同じ個所に志津川駅がありましたが、12月の本格運行時からは1kmほど内陸に入った旧・南三陸消防署跡地に移転しました。
移転開業したBRT志津川駅です。駅自体がロータリーの中心になっていて、駅舎の向かって左側からバスが発着します。月並みな表現をすれば地下鉄の出入り口みたいです。巻き寿司のように見えたのは私だけでしょうか。
建物の中は待合室・窓口・トイレがあり、空調も完備です。ドア上にはBRTの運行状況が表示されるディスプレイがあり、自分が乗る予定のバスがどの位置にいて遅れがあるかどうかが一目瞭然でわかります。また、ガラスには太陽光パネルが取り付けられていて、環境に配慮した様子もうかがえます。
BRT志津川駅にはPOS端末があります。乗車券区間の表記は「BRT志津川」となりますが、発売箇所は「志津川」のままです。乗車券以外にも新幹線自由席特急券も購入しました。入場券は発売せず、補充券は確認していません。
私は現地に行くまでなぜ志津川駅が現在の場所に移転したのかわかりませんでした。旧・志津川駅付近は人家がなく利用が見込めず、逆に現・志津川駅には隣接して「南三陸さんさん商店街」なるプレハブ造りの復興商店街や被災を免れた住宅街があり、こちらの方がまだ利用が見込めるという判断だったのでしょう。そういうことは現地に行って初めてわかりました。
なお、着駅の「BRTベイサイドアリーナ」駅ですが、鉄道時代にはなかった駅です。ここは高台で、元は町の総合体育館「ベイサイドアリーナ」や診療所があったところですが、現在は被災した南三陸町役場の仮庁舎が移転してきていて、町の仮中心に位置付けられています。日中は全便停車しますが、公共施設が開いていない早朝・夜間は通過となります。
仮運行時には志津川駅と同じ扱いで営業キロもありませんでしたが、本格運行時に志津川駅とは別の営業キロが設定され、発着となる乗車券が発売できるようになりました。駅の窓口はなく無人駅となっています。
