続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

スリーデーパス

スリーデーパス

 昨年3月末で特急料金込みタイプのフリーきっぷである「土・日きっぷ」の発売が終了し、特急料金を含まない乗車券のみタイプの「ウィークエンドパス」に置き換わりました。その時点では同じく特急料金込みタイプの「三連休パス」の動向は発表されませんでした。私はおそらく「三連休パス」はそのままで存続することはなく、廃止になるか「土・日きっぷ」と同じく乗車券のみタイプに移行するかだろうと予想していました。

 その結果…。7月の3連休から「三連休パス」に代わって、乗車券のみタイプの「スリーデーパス」が発売されることが発表されました。予想的中でした。価格は大人13,000円で、「三連休パス」のちょうど半額です。最初聞いた時に「正直これは売れんだろう~」と思いました。でも、使いもせずに論評するわけにもいかないので、昨年11月の連休に使ってきました。

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 まず、この券面の「東日本旅客鉄道会社線全線及び中小国~函館・木古内~江差間」という表記は誤解を招きます。実際に以下の社線でも使えるからです。別紙の「ご案内券」には記載があるものの、券面もそのことを踏まえた表記を検討すべきです。

  • 青い森鉄道
  • IGRいわて銀河鉄道
  • 三陸鉄道
  • 北越急行
  • 富士急
  • 伊豆急

 「スリーデーパス」が必要になる局面は「ウィークエンドパス」のフリーエリアから外れる函館・北東北三県への往来であると仮定して、それっぽい適当な区間の特急料金を調べてみました。現在、八戸乗継ではありませんが、「スリーデーパス」発売当初時点の情報として載せています。

《片道の特急料金(普通車指定席:通常期)》

  • 東京~函館:7,200円(八戸乗継)
  • 東京~青森:6,700円(八戸乗継)
  • 東京~秋田:7,250円(秋田新幹線経由)
  • 東京~盛岡:5,650円
  • 長野~盛岡:8,160円(大宮乗換)
  • 新潟~八戸:10,410円(大宮乗換)

 当然これらの区間を往復すると特急料金も倍になります。「三連休パス」からの値下げ分は13,000円ですから、東京~盛岡間以外は「三連休パス」時代よりも割高になります。また、東京~盛岡間についても、土日に単純往復するだけであれば「ウィークエンドパス」+はみ出す部分の乗車券(くりこま高原~盛岡間:3,780円)を買い足した方が安上がりだったりします。

ひとこと

 これだけフリーエリアが広いと特急列車を全く使わずに移動するのは困難です。特急料金を安くするには「えきねっと」の「トクだ値」に期待したいところですが、以前発売されていた「料金券のみタイプ」は姿を消し、「乗車券込みタイプ」の設定しかなく、「スリーデーパス」との併用は実質できなくなっています。これは利用者的には痛いです。

 変な例えですが、「スリーデーパス」と特急料金の関係はコンビニのサラダと別売のドレッシングの関係に似ていると思います。サラダ(=スリーデーパス)は安いけど別売のドレッシング(=特急料金)が高いため、口に入る時点ではサラダ+ドレッシングのセットで売られていた頃(=三連休パス)より割高になっています。かと言ってドレッシングをかけずにサラダ単体で食べても、食べられなくはないですがあまりおいしくありません。

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 ともあれ、私はちょっと考え方を変えて、「三連休パス」ではできない使い方をしてきました。運賃のみ有効という面を利用して、長年乗りたかった寝台特急「日本海」に乗ってきました。「三連休パス」は特急料金が含まれているため、グリーン車や寝台車を利用する場合は特急料金が二重払いになります。グリーン車や寝台車を利用する場合には乗車券のみの「スリーデーパス」の方が便利で割安になります。

 このフリーエリアが3日間フリーで13,000円という値段は決して高くはなく使い勝手もいいですが、併用する特急料金がほとんど無割引なのでトータルコストが割高になり、きっぷの自由度の足かせになっていると思います。「えきねっと」の「料金券のみタイプ」はSuicaとの併用もできるだけに、むしろ「乗車券込みタイプ」よりも充実させるべきです。

使い勝手:★★☆☆☆

お得感:★★☆☆☆

当日発売:あり

小児用:あり(4,000円)