サロベツ
◆種別:特急
◆区間:札幌~稚内(1日1往復)
特急「サロベツ」は札幌~稚内を1日1往復結ぶ特急列車です。平成12年に急行列車から特急化されて以来、キハ183系で運転されています。現在のダイヤは以下のような感じです。
下り サロベツ号 |
上り サロベツ号 |
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札幌 | 12:30発 | 19:14着 |
旭川 | 14:08発 | 17:33発 |
名寄 | 15:14発 | 16:31発 |
音威子府 | 16:08発 | 15:44発 |
稚内 | 18:22着 | 13:44発 |
同じ札幌~稚内間には「サロベツ」の他に特急「スーパー宗谷」が2往復設定されています。こちらは新型のキハ261系が投入され5時間ちょっとで結んでいるのに対し、「サロベツ」は下りは5時間52分、上りは5時間半かかっています。同じ特急料金なのに「サロベツ」は明らかに見劣りがします。
平成18年に特急「利尻」が廃止されるまでは一体運用が組まれていました。「サロベツ」は札幌を昼過ぎに出発し、夜稚内に到着します。寝台車を連結してその日の晩の「利尻」で札幌に戻りました。また、前夜に札幌を出発した「利尻」は早朝稚内に到着し、寝台車を切り離してその日の「サロベツ」で札幌に戻っていました。現在は稚内で一泊して翌日の「サロベツ」で札幌に戻るという運用となっています。
私は「利尻」廃止後、「サロベツ」は「利尻」との一体運用を組む必要がなくなったため、早晩キハ261系化されて「スーパー宗谷」に統合されると読んでいましたが、そうなることなく現在に至っています。
「サロベツ」は何回か細切れで乗ったことはあったんですが、今年初めて全区間通しで乗車しました。趣味的には黒煙を吐きながら爆走する国鉄型気動車はJRグループの中でも熱い存在になりつつあるんですが、5時間半はさすがに長く乗り応えがありました。なお、宗谷本線は旭川~名寄間は高速化されているので、名寄以南ではキハ183系による熱い走りが堪能できます。
キハ1183系は昭和56年から量産されていて、初期型は車齢が35年に達しようとしています。最近では故障による運休や車両交換も珍しくなくなりました。今後JR北海道では老朽化の進んだキハ183系の廃車にしキハ261系への置き換えを進めますが、昨今の財政事情からキハ183系の廃車分のキハ261系を用意することは困難としているので、必然的に車両数が減ります。
車両数が減ると現在の特急列車を維持するのが難しくなります。一部報道によると、今度のダイヤ改正でその不足分を「サロベツ」と「オホーツク」の4往復中2往復を旭川発着にすることによってカバーする方針のようです。
区間短縮なんてやらないに越したことはないですが、背に腹は代えられません。札幌方面への直通客は間違いなく不便になります。どうしても短縮するのであれば、以下の2つは必須だと思います。
- 旭川駅で「スーパーカムイ」と数分で接続し、対面ホームで乗り換えできるようにする。
- 旭川乗換で札幌~稚内・網走間で特急料金を通算できるようにする。
冬の旭川は非常に寒いですから、対面乗り換えであっても負担は大きいです。また、JR北海道の都合で特急列車を短縮するわけですから、特急料金は不利にならないよう考慮してほしいものです。
個人的にJR北海道の特急料金に「冬料金」を導入して、冬季の数ヶ月間は1割ぐらい値上げしてもいいのではと感じます。冬は除雪のコストもかかりますし、列車が車やバスより優位性を発揮できる時期です。その代わり、トクトクきっぷや特急定期は通年同額とすることで割安感を出し、リピーターやヘビーユーザーにはちゃんと手当てはしておく…。
今のJR北海道は特急列車の短縮や赤字路線の廃止などとにかく支出を抑えることばかりに躍起になっていて、増収に向けたアイデアが一向に聞こえてきません。支出を抑え収入を増やすことが経営再建の両輪になるはずです。今までの制度ではもう立ち行かなくなっているわけですから、従来の発想に捉われない大胆なアイデアも必要だと思います。