内陸移設に伴うキロ数変更
昨年12月10日に東日本大震災で被災して不通となっていた常磐線・相馬~浜吉田間が復旧し、5年9ヶ月ぶりに運転を再開しました。これで相馬市・南相馬市といった福島県の相双地域と仙台が鉄道でつながり、宮城県内で津波で被災し不通になっている区間がなくなりました。再開した山下・坂元・新地の各駅では大々的にセレモニーも開催されました。
私自身が大学時代を仙台で過ごした元仙台市民でもあるので、やっぱり再開初日に乗っておきたいと思い、乗りに行きました。そして、仙台駅のホームに震災前と同じように原ノ町行きの列車が停車していたことに嬉しく思いました。乗車した列車では「本日から運転再開しこれからもご利用よろしくお願いします」という車内放送が流れました。
津波で被災し大きな打撃を受けた浜吉田~駒ヶ嶺間は再度被害を受けるのを防ぐため内陸に線路を移設しています。黄緑の線が震災前の線路で、オレンジの線が内陸移設後の線路です。
駒ヶ嶺 新地 坂元 山下 浜吉田 合計
震災前 4.4Km 5.4Km 4.5Km 3.9Km 22.6Km
移設後 4.2Km 5.5Km 4.9Km 4.2Km 23.2Km
前後差 -0.2Km +0.1Km +0.4Km +0.3Km +0.6Km
実際に、内陸移設区間を含む浜吉田~駒ヶ嶺間の営業キロは震災前は22.6Kmだったのが、内陸移設後の新営業キロは23.2Kmと600m延びています。上の写真を見ても直線的だった線路がカーブを描いていて何となく距離が長くなったのは分かるかと思います。
営業キロの変更に伴って運賃の変更が生じています。運賃が安くなる区間については再開日の平成28年12月10日から適用し、高くなる区間については再開日ではなく今年4月1日から適用されました。
こちらは新営業キロ適用前後の新地~山下間の乗車券です。新営業キロ適用前は9.9Kmで運賃は200円でしたが、適用後は10.4Kmで240円となり、40円高くなりました。
なお、3月31日まで新地駅および坂本駅発着の乗車券・回数券・定期券は指定席券売機で発券できないという制限がかかっていたようです。下の乗車券は解禁初日に原ノ町駅の指定席券売機で発券したものです。
内陸移設された駅は開業はしたものの、駅前は空き地が目立ちました。特に新地駅はかさ上げされた土地に造ったので、まだ周囲に何もない状態でした。これから復興を進めていく中で駅周辺も整備していくんだと思いますが、どういう街になっていくのか楽しみでもあります。