続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

北斗オプション特急券

北斗オプション特急券

 「北斗オプション特急券」は「すずらんオプション特急券」と同様に同区間の「乗車券往復割引きっぷ」と併用する場合の専用の自由席特急券です。設定があるのは以下の4区間だけです。特急「北斗」「スーパー北斗」の自由席を利用できます。

発売区間 大人 正規の
特急料金
併用した場合の
総額(A)
 併用しない場合
の総額(B)
伊達紋別  札幌  750円 2,160円 5,920円  8,740円 
洞爺 750円 2,160円 6,590円  9,410円 
長万部 2,030円 2,380円 10,340円  11,040円 
 函館  630円 1,800円 4,650円  6,990円 

 「乗車券往復割引きっぷ」+「北斗オプション特急券」と併用した総額(A)と「乗車券往復割引きっぷ」と正規料金の自由席特急券と併用した総額(B)も合わせて記載しました。長万部~札幌間以外は使うと使わないとで大きな差が出ます。

 だったら問答無用で使えばいいじゃないかと思うかもしれませんが、このきっぷには大きな落とし穴があります。それは発売区間に記載された左側の駅、すなわち伊達紋別・洞爺・長万部の三駅でしか発売しないことです。

 なので、(A)の料金で利用できるのは伊達紋別・洞爺・長万部の三駅発だけで、札幌・函館発は自動的に(B)の料金が必要になります。「すずらんオプション特急券」は発着駅両側の地区で発売していましたが、「北斗オプション特急券」は片発売なのが大きな違いです。

発売区間 左側の地区から
利用した場合(A)
 右側の地区から
利用した場合(B)
Sきっぷ
伊達紋別  札幌  5,920円  8,740円   6,090円
洞爺 6,590円  9,410円   7,230円
長万部  函館  4,650円  6,990円   4,810円

 これらの区間は昨年3月まで往復の乗車券と自由席特急券がセットになった「Sきっぷ」が発売されていました。もちろん、発着駅両側の地区で同じ発売額で発売していました。長万部~札幌(市内)は無料で指定席が利用できる「Rきっぷ」だったので、いったん比較の対象から外します。

 上記3区間について、左側の地区から利用する場合は「Sきっぷ」より少し安くなっていますが、右側の地区から利用する場合は一律2,000円以上高くなっています。

 JR他社でも「のぞみ早特往復きっぷ」など片側の地区からのみ発売するトクトクきっぷは今でもあります。ただ、今まであったものを廃して、著しく不平等なきっぷを作り出してしまうのは正直どうかと思います。今まで札幌や函館からこの区間の「Sきっぷ」を利用していたユーザーは納得いかないと思いますし、JR北海道離れを誘発しかねません。

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 先日、長万部~函館間の「北斗オプション特急券」を利用してきました。長万部駅での購入時に「帰りはいつから利用されますか?」と聞かれました。長万部~森間は普通列車が極端に少ないですから、往復利用が前提になっているようです。また、きっぷを渡される時に「函館駅では乗車日の変更も払い戻しもできませんのでご注意ください」と念押しされました。

 「Sきっぷ」は往復6日間の範囲で行って戻ってくればよかったんですが、現在の仕組みだと帰る日も予め決めておかなければいけない仕組みになっています。せめて「北斗オプション特急券」は6日間の「乗車券往復割引きっぷ」の有効期間内は使えるようにすべきだと思いました。

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東室蘭駅の掲示

 「北斗オプション特急券」も同区間の「乗車券往復割引きっぷ」との併用が必要になります。例えば、伊達紋別~札幌間の「北斗オプション特急券」と伊達紋別~新千歳空港間の「乗車券往復割引きっぷ」の併用はできません。この場合は正規の特急券が必要になります。伊達紋別~南千歳間を含んでいるから「北斗オプション特急券」は利用できるという通常の解釈は通りませんので、もし利用される方がいたらご注意ください。