「マリンワールド海の中道」(以下「マリンワールド」)は福岡市東区にある水族館で、最寄り駅は香椎線・海ノ中道駅です。
小倉・香椎・博多・二日市・久留米の5駅から海ノ中道までの往復乗車券とマリンワールドの入場料がセットになった「マリンワールド海の中道きっぷ」(以下「マリンワールドきっぷ」)を発売しています。中学生と高校生以上の大人でマリンワールドの入場料が異なるため、「中学生用」が設定されているのが特徴です。
消費税が10%に上がった昨年10月以降の運賃で比較してみます。
発駅 | 海ノ中道までの 往復運賃 |
マリンワールド 入場料 |
マリンワールド きっぷ |
差額 | |
---|---|---|---|---|---|
小倉 | 大人 | 3,000円 | 2,350円 | 4,140円 | 1,210円 |
中学生 | 1,100円 | 3,090円 | 1,010円 | ||
香椎 | 大人 | 560円 | 2,350円 | 2,460円 | 450円 |
中学生 | 1,100円 | 1,410円 | 250円 | ||
博多 | 大人 | 960円 | 2,350円 | 2,770円 | 540円 |
中学生 | 1,100円 | 1,720円 | 370円 | ||
久留米 | 大人 | 2,260円 | 2,350円 | 3,410円 | 1,200円 |
中学生 | 1,100円 | 2,360円 | 1,000円 |
大人で小倉発以外は片道運賃以上の安くなっています。香椎発に至ってはマリンワールドの入場料に110円追加するだけで往復JRが付いてくる計算になります。中学生料金は大人より若干割引率が落ちます。
昨年の正月に香椎線の撮影ついでにマリンワールドに行ってきました。この当時のマリンワールドの大人入場料は2,300円でしたが、香椎発の「マリンワールドきっぷ」はそれ以下の2,290円というかなりイカれた価格設定でした。JRに乗ってマリンワールドに行くと10円貰えてしまう計算です。安いことはありがたいんですが、こんなのアリ???と思ってしまいました。
そんなに水族館に熱い想いはなかったんですが、有明海の干潟を再現した展示コーナーや世にも珍しいクジラのショーなど思っていた以上に楽しめました。クジラのショーは珍しいので必見です。
【ひとこと】
マリンワールドは前売り料金がありますが、大人150円、小中学生100円の割引で、大した額ではありません。なので、列車でマリンワールドに行く場合はこのきっぷを利用するのも一考です。
「一考です」という抑え目の表現にしたのは、出発地の設定が5駅しかなく少なすぎるためです。鹿児島線沿線を中心にもう少しあってもいいと思います。あと、行きか帰りに博多に寄りたいという需要もあると思うので、出発地を増やして博多~香椎~海ノ中道間をフリー区間にしてはどうかと思います。
なお、マリンワールドには65歳以上を対象にしたシニア料金があるんですが、このきっぷにシニアの設定はありません。なので、65歳以上が利用すると割高になる可能性があるので、そのへんは周知した方がよさそうです。
使い勝手:★★★★☆
お得感:★★★★☆
当日発売:あり
小児用:あり
【オマケ】
香椎線は”SmartSupportStation”の導入の先駆けで、香椎・長者原の2駅以外はすべて遠隔管理・無人化されました。海ノ中道駅もその例外ではなく終日無人となっています。
マリンワールドを訪れる客層は思いのほか外国人観光客が多く、きっぷの買い方や列車の乗り方がわからなくて困惑している様子を多々見かけました。何でもかんでも無人化するのではなく、土休日の日中ぐらいは駅員を配置した方がいいように思いました。
【補足:2022/8/8】
「マリンワールド海ノ中道きっぷ」は2021年4月利用分から「エンジョイ!マリンワールド海ノ中道きっぷ」にリニューアルされ、インターネット予約での取り扱いのみとなり、みどりの窓口での発売を終了しています。また、2022年2月9日以降利用分よりマリンワールドの入場料値上げに伴って値上げされると同時に小倉・久留米発の設定が終了しています。