続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

シンカリオン×てっぱくきっぷ

 埼玉県さいたま市にある鉄道博物館は平成19(2007)年の鉄道の日に開館しました。累計入場者数は1000万人を超えたそうで、たいそうな人気のようです。

 個人的にはピカピカに磨かれて展示物と化した動かない鉄道車両は心惹かれる対象ではなく、まだ2回しか行ったことがありませんでした。それもトータルの滞在時間は2時間ほどです。そんな私のところに、妹から夏休みでヒマを持て余している甥1(小4)の相手をしてやって欲しいという依頼があり、実に10年ぶりに鉄道博物館へ行きました。

 10年前に行ったのは「新幹線&鉄道博物館きっぷ」を使用した時です。鉄道博物館の入場券が付いていたのでついでに寄っただけでした。

 今回は鉄ヲタの領域に入りつつある子供連れということもあり、「新幹線&鉄道博物館きっぷ」(以下「鉄博きっぷ」)改め「シンカリオン×てっぱくきっぷ」(以下「シンカリオンきっぷ」)を利用しました。

 で、「シンカリオン」とは何ぞや????と思い調べてみたところ、

新幹線超進化研究所は「漆黒の新幹線」が生み出す巨大怪物体から日本の未来を守るため、「新幹線変形ロボ シンカリオン」を開発した。シンカリオンとの高い適合率を持つ子供たちが運転士となり、研究所員たちと力を合わせて強大な敵に立ち向かう!

 要するに新幹線をロボットにした子供向けのアニメだそうです。E5系っぽい車両がメインで登場しているので、制作にJR東日本が一枚噛んでいるのは間違いなさそうです。新幹線をロボットにして子供相手に刷り込ませるとはうまいこと考えたもんです。

 指定席券売機のみで発売し、東京都区内〜大宮間の新幹線自由席と大宮〜鉄道博物館間のニューシャトルの往復がセットになっているきっぷの効力は以前の「鉄博きっぷ」と変わりません。「鉄博きっぷ」の発売当初は利用当日でも購入できたのがいつの間にか前日までの発売に改悪され、「シンカリオンきっぷ」でもそれが踏襲されています。

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大人用(3,980円)

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小児用(1,200円)

 「鉄博きっぷ」が大人3,500円で小児1,000円だったのに対し、「シンカリオンきっぷ」では大人3,980円で小児1,200円(今年10月以降は大人4,050円で小児1,220円)と1割以上値上げされています。第一印象では増税分の転嫁を考慮してもちょっと値上げ幅が大きいなと感じました。

【鉄道博物館の入場料の推移】

  大人 小中高生 幼児
開館~2018/7/4   1,000円  500円  200円
2018/7/5~2019/9/30  1,300円  600円  300円
2019/10/1~ 1,330円  620円  310円

 値上げ幅が大きく見えるのは昨年7月に南館がオープンし、入場料が値上げされたことによって「シンカリオンきっぷ」にもその分が転嫁されたものと思われます。その後、今年10月の消費税増税(8%→10%)の際に再度値上げされていますが、2014(平成26)年4月の消費税増税(5%→8%)の時は入場料は据え置かれていました。


 甥1に事前に行きにどの新幹線に乗りたいか尋ねたところ、「E6系!」という答えが返ってきました。私はちょっと困りました。と言うのもこのきっぷは自由席しか利用できません。E6系がメインで使われている「こまち」は全車指定席なので、「やまびこ」か「なすの」の運用を狙うしかありません。

  7:44 やまびこ205号 仙台行き

  8:48 やまびこ43号   盛岡行き

  9:16 なすの255号  郡山行き

 午前中に東京駅を発車するE6系の「やまびこ」「なすの」はたった3本です。新幹線に乗れることを売りにしているきっぷで所詮東京~大宮間しか乗らないんですから、全車指定席の列車でも立席か空席利用ぐらい認めてもらえると助かるんですが…。 

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なすの255号:東京駅 2019/8/18

 鉄道博物館の開館は10時なので「なすの255号」で大宮に向かいました。大宮に着いてからすぐ鉄道博物館に行けばよかったんですが、甥1が大宮駅を次々と発着する新幹線に見とれていて離れようとせず、1時間近くロスしました。

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特典のシンカリオンのパスケース

 「シンカリオンきっぷ」では鉄道博物館入館時に鉄道博物館オリジナルグッズと非売品のシンカリオンのパスケースと絵はがきが貰えるという特典が加わりました。甥1の年齢ではシンカリオンは卒業しているそうですが、甥2(幼稚園年長)にあげると言って喜んで持って帰りました。私の分は海を越えて台湾に渡り、フォロワーさんに進呈しました。

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南館に鎮座する400系とE5系の並びを撮る甥1

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0系の運転台に座る甥1

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なぜか「臨時」表示にさせて悦に入る甥1

 それにしても子どもの体力は底なしですね。あれだけ興味の赴くままに動き回ってよく疲れないものです。結局6時間近く滞在し、帰りは適当にE7系「はくたか」に乗って帰りました。甥1は弟がいる手前で兄として我慢していたことも多かったようで、自分が王様になって満喫できたのは楽しかったようです。私としても海外出張が多く多忙な彼の父親に代わって夏休みの思い出を作ってあげられたのは良かったです。普段子供の扱いに慣れていないので、家に帰ってぶっ倒れましたが…。


 あ、いちおうきっぷの評価もしておきます。「鉄博きっぷ」の記事でも書きましたが、大人単独利用ではほとんどメリットはありません。高いだけです。ここに新幹線に乗って鉄博に行きたいという小児が加わって初めてメリットが見い出せます。

 このきっぷだと出発エリアが東京都区内に限定されてしまうので、首都圏全域がフリーになる「休日お出かけパス」に鉄道博物館の入場券を組み合わせた「鉄博&休日お出かけパス」的なものがあるといいと思っているんですが、難しいんですかね?

使い勝手:★☆☆☆☆

お得感:★☆☆☆☆

当日発売:なし(前日まで指定席券売機でのみ発売)

小児用:あり(1,220円)