続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

スーパーバリュー75+秋田フリーきっぷ

 JR東日本とANA(全日空)が共同で秋田への誘客を図り、新たな観光流動拡大を目指すということで、秋田の周遊に便利なきっぷを発売することになりました。

 今年1月23日~3月30日の間にANAの「ANA SUPER VALUE 75 & JRきっぷAKITA」という運賃で秋田空港もしくは大館能代空港まで利用した客に対して、秋田県内のJR線を2日間利用できるフリーきっぷをセットで発売するというものでした。「ANA SUPER VALUE 75」(以下「SPV75」)は利用の75日前までに購入する必要がある運賃です。なので、実質昨年11月9日~今年1月14日の間に購入する必要がありました。

 以前紹介した「AIRDO20周年きた北海道フリーパス」は航空運賃にJRのフリーきっぷ部分を含んでいませんが、今回の「ANA SUPER VALUE 75 & JRきっぷ AKITA」は航空運賃にJRのフリーきっぷを含んだ価格で発売されるのが大きな違いです。

 ANAで秋田空港に就航しているのが羽田・伊丹・中部・新千歳便で、大館能代空港は羽田便のみです。羽田~秋田だと秋田新幹線とモロに競合します。しかも、SPV75だと新幹線よりほぼ確実に安いです。JRから飛行機へ客が流出しかねないのに、よくこんな商品実現したなというのが率直な印象でした。

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 こちらは昨年11月9日時点の今年2月8日のANA401便羽田〜秋田間の運賃です。JRのフリーきっぷが付くSPV75は14,990円で付かない方は11,990円なので、価格差は3,000円です。他の日・他の便で比較しても全て3,000円差だったので、JRのフリーきっぷは3,000円相当であると推測できます。ちなみに秋田新幹線の東京~秋田間の正規運賃・料金は17,800円します。フリーパス込みでも3,000円近く安いです。

 私が利用した2月16日のANA403便はフリーきっぷ込みのSPV75が12,090円でした。フリーきっぷ込みでも新幹線より5,000円以上安いです。飛行機代だけだと9,090円で、新幹線の半額程度になります。

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ご搭乗案内

 フリーきっぷは搭乗時に貰える「ご搭乗案内」というピンクの紙切れを秋田駅(大館能代空港着の場合は大館駅)のみどりの窓口に持って行くと引き換えられました。「ご搭乗案内」はここで回収されました。左下のSVKJRPの部分が運賃種別なので、ここで対象運賃か識別しているんだと思います。きっぷとは別に審査片が発券され、クレジットカードできっぷを購入する時のように受け取りの署名をする必要がありました。

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 受け取ったきっぷです。乗車票タイプになるかと思いきや、トクトクきっぷのような様式です。JR東日本の場合、一定のフリーエリアを乗り降りできるタイプのトクトクきっぷは「〇〇パス」と称するのが標準ですが、このきっぷはANAとの兼ね合いもあるのか「ANA共同企画 秋田フリーきっぷ」となっています。また、実質3,000円相当ではありますが、JRの駅で直接お金を支払ったわけではないので、金額は***になっています。

 フリーエリアは以下のとおりでした。2日間有効でフリーエリア内は秋田新幹線も含め特急列車の自由席が利用できました。

【フリーエリア】

  • 奥羽線:湯沢~秋田~川部
  • 羽越線:羽後本荘~秋田
  • 田沢湖線:田沢湖~大曲
  • 男鹿線:追分~男鹿(全線)
  • 五能線:東能代~川部(全線)

  秋田県内のJR線はほぼ網羅され、一部青森県にまで食い込んでいます。観光客に人気の五能線は全線含まれています。特急列車も含め、これだけ乗れて2日間3,000円であればとてもお買い得なきっぷだったと言えます。

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フリーきっぷ引き換え時にいただいた品々

 また、フリーきっぷ引き換え時にこのきっぷの使用者向けに配っているという、クリアファイルやボールペン、ドリップコーヒーなどいろいろなものをいただき、予想外に得しました。

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横手市内のかまくら 2019/2/16

 2日間のうち初日は秋田~横手の往復で利用し横手市の「かまくらまつり」を見てきました。2日目は秋田~大曲~秋田~弘前と利用し、ほぼフル活用しました。

 航空運賃の早期購入運賃は良し悪しで、びっくりするほど安い代わりに変更不可かつ払い戻し時の手数料が高額で、下手すると半額近く取られます。JRのフリーきっぷを航空運賃に組み込むのは斬新な手法だと思いますが、JRの指定券類が1ヶ月前からしか買えないことを鑑みると、せめて21日前ぐらいまで購入期限の猶予があるとありがたいです。