続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ。今年で14年目になります。

富士回遊

富士回遊

■種別:特急

■区間:新宿~河口湖(1日2往復)

 特急「富士回遊」は先の3月16日のダイヤ改正から新宿~河口湖間で運転されている特急列車です。それまで「ホリデー快速富士山(河口湖)」や「成田エクスプレス」の延長運転など新宿~河口湖の直通列車はありましたが、いずれも臨時列車でおもに土休日の運転でした。これが「富士回遊」では定期化され平日を含む通年の運転となりました。

  最初「富士回遊」という愛称を聞いたとき、外国人観光客にとって分かりにくいんじゃないか?という印象を受けました。これはむしろ逆で、愛称を漢字のみにすることによって、中華系の人に分かりやすくする意図があったんだそうです。そう聞いてなるほどなと思いました。

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富士回遊20号:富士急線・富士山駅 2019/4/11

 車両は「あずさ」や「かいじ」など中央線特急で活躍している松本車両センターのE353系です。定期の「富士回遊」は新宿~大月間で「かいじ」と併結し、大月駅で分割・併合を行ないます。富士急線の有効長の関係から、3両の付属編成のみ乗り入れます。

 「富士回遊」は全車指定席で自由席はありません。指定席が満席の場合は他の中央線特急と同様に指定席特急券と同額の座席未指定券が必要になります。

 平成26年10月から特急「成田エクスプレス」の河口湖延長運転を皮切りに、JR-富士急直通の特急が運転されています。その特急料金は以下のように変遷しています。

   新宿~河口湖   八王子~河口湖  繁/閑変動 内訳
~H29年3月3日   1,700円 1,270円 あり JR東のA特急料金のみ
H29年3月4日
~H31年3月15日 
2,100円 1,670円 あり JR東のA特急料金
+富士急特急料金400円
H31年3月16日~ 1,600円 1,350円 なし JR東の中央線特急料金
+富士急特急料金400円
+座席指定料金200円

 富士急線内を走る「フジサン特急」には特急料金が設定されていますが、価格差を考慮してか、平成29年3月のダイヤ改正前まではJRから直通するN'EXについて富士急線内の特急料金を徴収していませんでした。その代わり、富士急線内のみの乗車は不可でした。

 平成29年3月のダイヤ改正から富士急線内でも乗車区間に応じて特急料金を徴収するようになりました。同時に、富士急線内のみでも特急券を購入した上で空席が利用できるようになりました。

 そして、今年3月のダイヤ改正からはN'EXから「富士回遊」に変わってJR線の特急料金が安くなった代わりに、富士急線内では特急料金に加え座席指定料金200円を徴収するようになりました。富士急線内のみの利用では座席未指定券を購入した上での空席利用となり、指定を取ることはできません。ただし、富士山〜河口湖間の相互利用については座席未指定券は不要とのことです。

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 私が利用した4月6日の「富士回遊3号」は土曜朝の列車だったので、満席になっていました。それどころか、八王子到着時点でデッキに外国人観光客がいっぱい人が溢れていました。さらに、大月駅で「かいじ」から移ってきた客が通路まで流入し、混雑が激化しました。E257系500番台による臨時の「富士回遊91号」が運転されていてもこの状況でした。

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平日も激混みの富士回遊20号 :2019/4/11

 さすがにこの混雑は休日だけの事象だろうと思っていたんですが、平日は臨時列車の設定がない分もっと悲惨でした。富士山駅から新宿行きの「富士回遊20号」に乗車したところ、その時点でデッキどころか通路まで人が一杯で、指定された自席に座るだけでも大変で、まるで帰省ラッシュのようでした。

 木曜日にも関わらずその盛況ぶりには少なからず驚きましたが、立っているのはほとんど外国人観光客だったので、この状況を放置し続けるのはマズいんじゃないかと思い始めました。彼らにとって、わざわざ日本に来てまで混み混みの列車に詰め込まれて1時間も2時間も立たされることが旅のいい思い出になるはずがありません。こんなのが「おもてなし」なんて悪い冗談です。

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長野鉄道フェスタで公開された量産先行車:長野総合車両センター 2015/10/10

 E353系の量産先行車が落成したのは4年前の平成27年7月でした。おそらくその1~2年前には車両設計に着手しており、その際に基本9両+付属3両という構成や付属編成が富士急線に乗り入れることまで考慮していたはずです。

 設計当時は富士急乗り入れの編成が3両でも事が足りるという判断をしたのかもしれませんが、その間に外国人観光客が急増して現在のような状況となり、明らかに需給のミスマッチが発生しています。その見込み違いを責めるのは酷だと思いますが、かと言って放置していいとも思えません。

 今の需要に対して3両編成が1日2往復では少なすぎます。「かいじ」と併結する列車を増やすか、場合によってはN'EX延長運転の再開や大月停車の「あずさ」と併結、E257系500番台による単独運転の追加も選択肢に入ると思います。

 あと、富士五湖近辺に宿泊する客も相当数いるので、新宿午後発や河口湖午前中や昼前後発の列車があってもいいです。せっかくチャンスなので、もう少し本数と選択肢を増やして旺盛な需要に応えるべきだと思います。


【雑感】

 発売枚数に制限のない座席未指定券という制度を現状1日2往復しかない「富士回遊」にも適用してしまうのがそもそもの誤りだと思います。常磐線や中央線であれば30分~1時間間隔で特急列車が走っていて列車選択の余地がありますが、平日の「富士回遊」は2択、休日でも3択です。

 全車指定席の列車でどうしても座席数以上に乗客を詰め込みたいのであれば、発売枚数を限定し乗車列車だけ指定した立席特急券のほうが今の惨状を多少改善できるように思います。立席特急券については以下参照。