夕張駅その後

 来週日曜3月31日に石勝線夕張支線・新夕張~夕張間が廃止になります。平成28年11月にJR北海道は自社単独で維持するのが困難な路線を発表しました。夕張市はその先手を打ち、平成28年8月にJR北海道に対して夕張支線の廃線を提案し、廃止にあたっての条件交渉を進めました。

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新夕張駅 2018/12/15

 炭鉱閉山後の過大なリゾート投資に失敗し、平成19年に財政再建団体に転落した夕張市は国の管理下に置かれました。市職員の削減・減給、市民税・水道料金等公共料金の値上げ、公共施設の廃止や学校の統廃合など、借金返済最優先の緊縮財政となりました。その結果、「最高の負担で最低の行政サービス」と揶揄されるまでになり、将来に希望が持てなくなった人が次々と夕張を去りました。破綻時に13,000人ほどあった人口は8,600人になり、3割以上減っています。

 このままでは財政再建を終える頃には夕張から誰も人がいなくなって街が消滅してしまうという危機感から、夕張市は市民と議論を重ね、市をコンパクトシティ化し、単純に鉄道の廃止をするだけでなく、南清水沢地区に交通結節点を設け、バスを含めた持続可能な交通体系を再構築していくという方針を決めました。廃線を申し出た当時の夕張市長は「攻めの廃線」と述べていました。昨年3月にJR北海道と廃線の合意に至り、今年3月31日での廃止が決まり、127年の歴史に幕を閉じることとなりました。

 ところで、いすみ鉄道の前社長が「(JR北海道が)道内ローカル線の廃止を加速させるために(夕張市が)一本釣りされた」とYahooニュースに書いていました。夕張市がJR北海道から好条件を引き出すための駆け引きはあったかもしれませんが、JR北海道の経営悪化と夕張市が議論の末に持続可能な交通体系を再構築しようという結論を出したタイミングが運良く一致したことの方が大きく、若い市長が考えもなく安易に飛び付いたと結論づけるのは誤りだと思います。

 北海道のほかの自治体も廃止反対一辺倒ではなく、夕張市を見習って将来自分のところの交通体系をどうしたいかを住民と真面目に議論したほうがいいと思います。

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夕張鉄道との接続駅だった鹿ノ谷駅に進入する列車 2018/12/15

 廃止される区間はもともとは追分~夕張間の「夕張線」として建設されました。かつては夕張鉄道や三菱石炭鉱業大夕張鉄道が接続し、石炭輸送で大いに賑わいましたが、昭和40年代から始まった炭鉱の閉山とともに衰退し、昭和62年までに石炭輸送を終了しています。

 その間、道央~十勝の短絡ルートとして昭和56年に石勝線が建設されると、追分~新夕張間は石勝線に組み込まれ、新夕張~夕張間が石勝線の支線となる現在の状態になりました。夕張線は新夕張駅を境に明暗が分かれた感はあります。


 夕張支線のきっぷ趣味的な現状ですが、南清水沢駅と夕張駅(駅前のホテルマウントレースイのフロントで)で簡易委託によるきっぷ(前出しの総販券)の販売を行っています。 

 以前の夕張駅(≒ホテルマウントレースイのフロント)では紅葉の名所である滝ノ上公園の最寄り駅である夕張→滝ノ上間の一区間の乗車券のみ売っていました。よほど買う人がいなかったようで、平成24年時点で平成20年の残券を売っていました。

 その後、しばらく取扱いを中止していた時期がありましたが、一昨年6月に訪れた際には「夕張→360円区間」(新夕張まで)の前出しの総販券の発売していたのを確認しています。また、その翌月より夕張市のご当地入場券も合わせて発売しています。

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夕張市ご当地入場券

 南清水沢駅は受託者の気まぐれなのか営業時間中に訪ねても閉まっていてちっともアテになりませんが(今のところ5戦0勝)、ホテルのフロントであれば誰かしら人がいるので、確実に買うことができ、モノさえあればスカ食らうことがないのがメリットです。今月中に夕張を訪れる機会がある方は立ち寄ってみてはいかかでしょうか。

 なお、夕張支線廃止後は夕張市のご当地入場券は新夕張駅で発売が継続されるそうで、それに伴ってデザインが変わるかもしれません。ご当地入場券の継続は喜ばしいことですが、また集めに行かないといけないというのは趣味的に悩ましい問題ではあります。